笑い話 言葉のお葬式 ② オオカミ少年
- white-eagle1958
- 2021年1月8日
- 読了時間: 2分
2021.01.08
東京タワーの前で一人のお坊さんが、沢山の墓標を前にお経を挙げていました。
そこへ中年男性と初老の男性が通りかかり、坊さんに声を掛けました。
「坊さん、こんな所で何をしているんですか?」
「おや、これは逸見さんに筑紫さん、お久しぶりです。頼近さんもお出でじゃあありませんか。お三方揃って今日は何用ですか?同業者会でも?」
「いえね、久しぶりに会ったんで、思い出話にと思って・・・お坊さんは何を?」
「言葉のお葬式です」
「言葉のお葬式?また妙な事を始められましたな。それは一体何ですか?」
「今では死語になってしまった言葉を、こうして弔っているんですよ」
「死語になってしまった言葉を・・・それでそれは誰ですか?」
「真実です」
「何と真実が!・・・どうして死語に?」
「この方は嘘が言えませんでしてねえ・・・それが災いしたのでしょう。本当の事が都合の悪い人たちに狙われましてね。撃ち殺されてしまったんですよ。本当に惜しい方を亡くしてしまいました・・・」
「他の方はどなたなの?」
「この方々はあなた方の同業者です」
「えっ、私達の同業者?」
「そうです。これらの方々はオオカミ少年とあだ名された方々でしてね。そちらが黄昏テレビ、お先真っ暗新聞、どん底ラジオ、崖っぷち雑誌の方々です」
「お先真っ暗・・・どうしてそんな事に・・・」
「国民に嘘ばかり流しましてねえ・・・ついに偽善者だって事がバレまして。国民から総スカンを食らいましてね、とうとう寂しくあの世往きです」
「これ全部なの?」
「そう、全部です・・・」
三人は見渡す限りの墓標の列に声を失いました。
「では、マスコミは全滅ですかね・・・」
「いや、一方第二次世界大戦の生き残りがおられます」
「第二次世界大戦の生き残り?誰ですか?その方は?」
「大本営発表という方です・・・南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏」
おそまつ
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