笑い話 落語 ④ ブッダの珈琲店
- white-eagle1958
- 2021年3月17日
- 読了時間: 3分
2021.03.17
ここはブッダの珈琲店。ブッダがコーヒー豆を炒っており、良い香りが漂っています。
すると、来客を告げる鐘の音と共にドアが開き、誰かがやってきました。
「やあ、イエスじゃないか。久しぶりだなあ。元気にしてたのか?」
「うん、まあ、ね・・・」
「どうした?情けない顔をして。また振られたのか?」
「違うよ。そんなんじゃない・・・」
「じゃ、あれか?まだユダの事気にかけてんのか?」
「まあ、それもあるけどさ。なあブッダ、どうして人間はああなんだろうな」
「ああって?」
「俺は、人間は俺と同じだと思ってた」
「お前さんは馬鹿正直だからな。裏も表もない」
「でも、違ってた。裏も表もあるのが当たり前だった。それが普通だったんだ」
「何だよ、今頃分かったのか?」
「今頃って・・・ブッダは知ってたのかい?」
「お前さんは若いなあ、当たり前だ」
「それで人間の見方が一段落ちた。人は嘘をつき、裏切り、手の平を返す。そう言う生き物だと思うようになった。それが哀しくてさ・・・」
「・・・まあ元気出せ。一杯おごるよ。どれにする?メニューはこれだ」
「ふ~ん、いっぱいあるなあ・・・あのさ、この人間コーヒーって何?」
「ああ、それか、私のオリジナルだ。ちょっと前に作った」
「どんな感じ?」
「それ?お前さん風に言うとな、嘘と裏切りと手の平返しがいっぱい入っているよ」
「親父さんも苦労してるなあ、そんなの作ってるようじゃ」
「分かるか?」
「分かるよ・・・じゃ、それにする」
「決まりか・・・ミルクと砂糖はどうする?そのままじゃかなり苦いぞ」
「いいよ、ブラックで。今日はそんな気分だ」
「分かった、ちょっと待ってろ。まず、コーヒーを入れてと・・・」
「ふ~ん、香りは普通だね」
「ここまではな。問題はここから・・・この嘘と、裏切りと、手の平返しを入れる」
「え~!そんなに入れるのか?それ、飲めるの?」
「当たり前田のクラッカー!飲むんだよ!」
「親父さん、古いよ。誰も分かんないよ」
「分からなくて結構。はい、お待ち!」
「え~っ!これ飲むの?」
「そうだよ、私も付き合ってやるから、心配するな!」
「そんな事言われたって・・・」
「いいから、グズグズするな!分かったな!」
「コーヒー飲むのにこんなに勇気が必要だとは思わなかった・・・」
「いいかい?一、二の、三でな。こうグイッと」
「グイッとね・・・グイッと」
「そうそう、上手いじゃないか」
「親父さん、釣りの講習じゃないんだから」
「つべこべ抜かすんじゃないよ、それじゃ、行くぞ。一、二の、三!」
「・・・・・・・う・・う・・に、苦いな~っ!」
「黙って飲みこめ!・・・」
「・・・親父さん、よくこんなもの作ったよなあ。絶対売れないよ。俺が保証する!」
「そう思うか?・・・じゃ、口直しに別の物を出そう。今度のはいいぞ」
「え~っ、またおかしなものじゃないだろなあ」
「心配ない、定番だ。生クリームがいーっぱい入った」
「ああ、ウインナコーヒーか」
「違う・・・」
「何だよ、その変な笑いは」
「女コーヒーって言うんだ」
「は?・・・親父さんもまあ・・・でも、暫く飲んで無かったなあ・・・」
「・・・私もだ・・・」 おそまつ
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