笑い話 ③ スパイ
- white-eagle1958
- 2021年1月2日
- 読了時間: 2分
2021.01.02
これは、現代のお話です。ある街、ある所にスパイの巣窟がありました。
一人のスパイが、深刻な顔をして考え込んで居る所に、同僚がやって来ました。
「どうしたんだよ。浮かない顔をしてさあ」
「ん~? 実はなあ、或る奴から情報を仕入れたんだけど、上司に報告しようか、しまいかで悩んでいるんだ・・・」
「報告しないとまずいんじゃないの?俺達スパイなんだし」
「そうだよなあ・・・それはそうなんだけど・・・話が話なんで」
「お前何言ってんだか、さっぱり分からん。お前の担当って誰よ?」
「ん~、かもって奴なんだけど・・・」
「かも? 楽勝じゃん! 聞けば何でも喋る奴だろ? 拷問室使う必要ないし」
「取調室と言った方がいいと思うぞ、そこは」
「話の内容ってなんだよ。一応話してみろよ」
「話せりゃ悩みはしないよ」
「俺でもか?」
「そうだよ・・・」
「何だよ、水臭いなあ。そんなに重要な事なのか?」
「ん~、まあな・・・」
「さては、手柄独り占めする気か?そんな事、絶対に許さないぞ、てめー!」
「放せ!首締めんなよ、そうじゃない!話が話だけになあ・・・」
「どういう話なんだ?少しだけでも聞かせろよ」
「ん~、下手すると世界がひっくり返るかもしれないんだ・・・」
「何だとーっ!何処からそんなネタ持って来たんだ?」
「だ・か・ら、かもって言ってるだろーが!」
「かもって、あの、聞けば何でもペラペラ喋るかも?」
「そーだよ、他に居るかよ、まったく」
「何でも話すから問題ないじゃん」
「それが問題なんだよ。余計な事まで話すから」
「余計な事?」
「そーだよ、普通の奴は口を固く閉ざしているだろ?」
「まあ、そうだな。それが当たり前だ」
「奴は違う。こっちが知りたい事の他に、知りたくもない事まで話すんだ」
「知りたくもない事ってなんだよ。言えよ。ここまで話したんだから」
「ダメだ、言えない。こればっかりはどーしても言えないんだ」
「やっぱり手柄独り占めする気かーっ!こうなったら意地でも聞きだしてやる!
言え!言わないと拷問室へ連れ込むぞ!てめー!」
「放せって! 仲間同士で拷問してどうするんだ?あいつに聞けよ、何でも話すから」
「ああ、そうか、そうだったな。悪かった、そうするよ」
同僚が通信室へ入って、10分後、ドアから同僚が青い顔で出て来ました。
「どうした?顔色悪いぞ・・・」
「確かに言えないな、これは・・・」
「ほれ、みろ」
「で、どうするよ、これ」
「考えたんだがな、これしかないと思うんだ」
「どうするんだ?」
「すべて聞かなかったって事で・・・」
「そうするか?」
「そうしよう、そうしよう」
おそまつさまでした。 おわり
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