子供達へのお話 物覚えの悪いサンタさん ②
- white-eagle1958
- 10月15日
- 読了時間: 2分
2025.10.15
サンタさんの家に朝が来ました。丸木小屋の煙突からは、白い煙が立ち上って居ます。
部屋の中の暖炉には、赤々と炎が揺らめいていました。
おばさんは朝から忙しく動き回っています。
「ちょっと、ちょっと」
おばさんが起き出したばかりのお爺さんを手招きしました。
「何?」
寝ぼけ眼のお爺さんは、おばさんへと近寄りました。周りにはおばさんが引っ張り出したと思われる、様々な服が散らばって居ました。
「これ、君が出したのか?」
「そうよ、どれが似合うかと思って」
「・・・君が行くんじゃないんだけど・・・」
「これ持ってく?」
おばさんは手にしたサンタ服を広げて言いました。
「まだ早いよ、それは。普段着で良い。ほら、あれがあっただろう?いつもの奴」
「また、あれ着ていくの?駄目よ、貴方全然センスないんだから。たまにはこういうのもいいんじゃない?」
青いスーツを手におばさんは微笑んでいました。
「う~ん、それは少し堅苦しいよ。いつもの奴で良い。それからサーミとノースはどうしてる?」
「久しぶりの旅だって嬉しそうよ。今回は2頭でいいの?」
「プレゼント積んで行くわけじゃないしな。ソリも普通ので良い。他にはと・・・」
「はい、これ。一式入れといた。サンドイッチも。貴方の好きなハムとレタスよ。ポテトサラダを挟んでおいたから」
「それは嬉しいな。有り難い」
「朝食、作っておくから貴方は出発の準備でもして置いたら?出来たら声を掛けるから」
「そうするよ」
お爺さんは、トナカイのサーミとノースの待つ小屋へ行きました。
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