大人達への物語 ここに愛は在りますか? ④
- white-eagle1958
- 2 日前
- 読了時間: 2分
2026.02.01
視界を埋め尽くす瓦礫の山。そこら中に人々の生きた営みを示していたものが、ゴミ屑と化し散乱しています。マイケル少年はその余りの惨状に声を失っていました。
その頭上を耳を劈く程の爆音と共に、戦闘機が何機も通り過ぎて行きます。
その戦闘機は、此れでも破壊が足りないと言わんばかりにミサイルを発射し、建物を瓦礫に変えていました。ミサイルが命中する度に、腹に響く爆音と赤い閃光と土煙が立ち昇ります。
「何て所だ。此処は・・・」
マイケル少年はそう呟くと、街全体を見ようと瓦礫の山を登り始めました。途中、下敷きになった人の腕に遭いましたが、既に何の反応も無くどうしようも有りませんでした。
沈む気持ちを抑えようも無く頂上に辿り着き、街を見渡すと不思議な光景に出会いました。
瓦礫の山の彼方に教会と思われる建物が在り、その一角だけが破壊から免れていたのです。
それは砂漠に咲く、一輪の花の様でした。
「あそこに行ってみよう」
マイケル少年はそう言って、山を降りて行きました。
教会の中は、避難民、傷病者で一杯でした。皆疲れ切っていて、僅かな空間を分かち合うかのように身を寄せ合っていました。その中で一際大声の神父が居ました。
「医者、医者は居ないか?看護師もだ。手伝ってくれ。手が足りないんだ」
一人の老人が手を挙げました。
「私も医者だ。元だがね。此れでも何かの役には立つだろう」
「私も手伝うわ。じっとしてなんかいられない」