ショートストーリー 共白髪
2026.09.19
え~っ、猛暑の時期も過ぎもうじきお彼岸でございますな。暑さ、寒さも彼岸までで在りまして、過ごしやすい季節になりました。するってえと今度は結婚式シーズンを迎える訳で在りまして、あちらこちらで、結納や結婚式が始まる事に成ります。
結納では、色々な物が取り交わされますな。
先ず思い浮かぶのは、指輪や結納金。此れが現代の主流ですな。
指輪が交わされる様になったのは、日本では戦後の事でありますが、西洋では11世紀ごろと言われております。
指輪は双方の心と心を繋ぐものであり、永遠の愛を願って、信頼を意味する左手の、また愛を意味する薬指に装着するようになったのでありましょう。
結納金は、元々は女性に花嫁衣装を贈って居た物が、お金になったのでしょうな。
その他にも、白い麻糸を束ねた共白髪(末永い夫婦で有る事を願ったもの)や高砂(老夫婦の人形)などがあります。
今回の噺は、そんな老夫婦のお話です。
或る夫婦が一緒に食事をして居ましたところ
「あんた、何よ。人の顔をジロジロ見て。私の顔になんか付いてる?」
「・・・いやな。お前の頭も随分白くなったなあと思ってよ」
「あんたの頭もおんなじじゃない。けどあんたの方は無くなったわね。きれいさっぱり」
「何だと。ふざけんな!少しだけまだ有るぞ。ここに」
「申し訳程度じゃない、オバQじゃあるまいし・・・」
「つるっぱげよりはまだましだ」
「はいはい、そうですね」
「まったく・・・でもよ、お前の若い頃の黒髪が好きだったんだぜ。翠の黒髪っての?艶やかでさ。今じゃあ滅多にお目に掛かれないけどな・・・」
「今度染めてみようか、金髪にでも」
「やめてくれ。スーパーサイヤ人じゃあるまいし。ケツが落ち着かなくなる」
「何よ、それ?どういう意味?」
「俺の身の置き所が無くならあ」
「お互い年を取ったわね。あんたのお腹も大きくなって・・・太鼓の代わりができるわよ」
「あのなあ、信楽焼のタヌキじゃねえんだぞ、俺は・・・でも確かに年を取ったよなあ・・・最近じゃ眼もおかしくなって来てよ・・・」
「眼がどうかしたの?」
「ああ、おまえが美人に見える・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
お後が宜しい様で・・・
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