笑い話 言葉のお葬式 レディーとジェントルマン
- white-eagle1958
- 2022年6月1日
- 読了時間: 2分
2022.06.01
ある日、イエスが宮殿の前で祈りを捧げていました。その前には幾つかのお墓が在りました。そこに2人の男女が通りかかり、不思議そうにイエスに声を掛けました。
「イエス様、この様な所で何をなさっているのです?」
「これは、これは女王様、ジェームズ・ボンドさんもご一緒で。お久しぶりです」
「そうだなぁ。以前会ったのは何年前だろうな・・・随分と会ってなかった様な気がするな」
「そりゃそうでしょう。貴方は教会など殆ど来やしないから・・・」
「それは皮肉かい?・・・で、何をしているんだ?」
「言葉のお葬式です」
「言葉のお葬式?それは何なの?」
「今では死語になってしまった言葉をこうして弔っているんですよ。悲しい事です」
「死語になった言葉を弔っているって?随分と変わった事をしているな。それがそうなのか?」
「そうです」イエスは墓標に眼を向けました。
「それは誰なの?」
「レディです。その隣はジェントルマン」
「何だってー!」二人は同時に声をあげました。
「レディとジェントルマンが死語になったと言うのか?」
「そうなんですよ」
「どうしてそんな事に・・・」
「あなた方の頃はまだよかったのですがねえ・・・レディは追い詰められて事故死しました。誰も助けが無かったようでしてね・・・思えば悲しい事です・・・」
「ジェントルマンの方は?」
「それがですね。何かあったのでしょう。人が変わってしまいましてね。あれ程気高かったのに、嘘は付くは、人を騙すは、脅しは掛け捲るはで、すっかりクソヤローになってしまいました。何時かは目を覚まして欲しいと願っているのですがねえ・・・」
「・・・どうにかならんのか?」
「お二人が模範を示すしかないんじゃないですかねえ・・・」
「私達が?」
「お二人以外に誰が出来るんです?」
「そうか、やるしかないのか・・・」
「そうですよ。やるっきゃない」
「分かった。直ぐに行こう」言うなり二人は忽然と消えました。
「大丈夫かなあ・・・不安だ・・・でも、頼みましたよ。お二人さん・・・」
イエスはそう呟くのでした。
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