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小説 四次元パンツ ⑩ 某研究所にて

  • white-eagle1958
  • 2024年6月7日
  • 読了時間: 2分

2024.06.07


「僕のパンツ、何処行きました?」

テレビ画面から消え去ったパンツの行方が気になったのか、可哀そうな松田君が今にも消入るかのように言いました。所長を見る目は恨めし気でした。

「・・・パンツロスだな、これは・・・」

「ジョーダンじゃないですよ!これからどーすんですか?このままじゃ僕はお婿にいけない」

「とにかくだ、今は掴んだ物を決して離すな。警察に捕まる事だけは避けなければ」

「そんな事言ったって。今パンツが何処行ってるのかも分からないんですよ。早く何とかしてくださいよ」

「分かっている。大至急コントローラーを修理するから」

「すぐ治せるんですよね?」

「大丈夫、ちゃんと設計図があるから。すぐにも直せるよ、心配ない。お婿に行けるって」

そう言って所長は、自分のデスクに向かいました。そしてあちこち書類を探している様でしたが、やがて悲しげな瞳を松田君に向けるのでした。

「所長?どうしたんですか?」

「いやね、松田君、私としても想定外の事が起きた様だ・・・」

「それじゃ分かりませんよ、設計図は見つかったんですか?」

「それが・・・・・・・ないんだ」

今度は所長の声が消入りそうでした。

「はあ?もう一度言って下さい。設計図はあるんですよね?」

いきなり崖っぷちに立たされ、切羽詰まった松田君の問いに所長は無慈悲に答えるのでした。

「見つからないんだ・・・何処を探しても」

松田君は奈落の底に突き落とされたのでした・・・

 
 
 

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