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小説 四次元パンツ ③ パンツ消失

  • white-eagle1958
  • 2024年5月20日
  • 読了時間: 2分

2024.05.20


大型動物の悲鳴にも似たその雄叫びを僕と所長は同時に聴き、顔を見合わせました。

「・・・所長、お尋ねしたい事があるんですけど・・・」

「何だね、遠慮なく言ってみたまえ」

「所長は最近、動物でもお買いになられたのですか?」

「いや、そんな記憶は全く無いな」

「では、今のは一体?」

「それを確かめようではないか」

僕と所長はそれを確かめるべく、廊下に通じるドアに手を掛けたのでした。


その頃、黒い目だし帽の二人組は、目の前のパンツらしきものに追い立てられる様に逃げ惑っていました。

「何で、何で、追いかけて来るんだ?あれは何なんだ?バケモノか?」

「兎に角何処かに身を隠そう。何処かに開いている部屋はないか?」

「ここがいい」二人は倉庫と思しき部屋に逃げ込んだのです。

そこで二人は驚くべきものを見る事になりました。


「パンツはどうなっている?」

「今の所順調にトイレに向かって進行中。特に異常はないですね。しかしなんか妙な気分です」パンツのあった部分だけがそっくり消えた状態で、歩くのはなんか変な感じでした。

「まあ、慣れるしかないな」

僕と所長はパンツの後を追って行きました。目の前20メートル先にパンツが浮かんでいるのを確認。ほっとしたのも束の間、倉庫から何かが落ちる様な物音がしました。

僕と所長は目配せをし、ゆっくりと倉庫に近づきました。ドアノブに手を掛けると、

「誰だ?一体。正体を表せ」声と同時に一気にドアを開けました。と、開けた方と開けられた方の双方で驚愕の叫び声の大合唱となりました。

僕と所長の前に現れたのは黒い目だし帽の怪しい二人組であり、その二人組の前に現れたのは、白髪の初老の男と腰の部分が丸々消失した男だったのです。

その男たちは酷く驚いた様で、叫び声を挙げながら、一人目が所長に突進。所長は体当たりを避けられずに弾き飛ばされ鈍い音と共に床に転がりました。その時、コントローラーが所長の身体から零れ落ちたのです。すかさず2人目が飛び出し、足元にあったそのコントローラーを蹴っ飛ばして逃げて行きました。コントローラーは壁にぶつかり、無残にも砕け散ってしまったのです。

「所長、しっかりして下さい。大丈夫ですか?」

僕は呆然としている所長を抱き起し、声を掛けました。

「大丈夫だ。少し意識が飛んだがね・・・そうだ、パンツは無事か?」

「パンツ?ああ、パンツならあれに・・・」

そう言ってパンツに目を向けた時、異変が生じたのです。羽音が以上に大きくなり、光の点滅も速くなったかと思うと、ブンと言う音を残してパンツが消失したのでした。


 
 
 

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